ガイガーカウンター(3)



  実験・観測のための据え置き用で、PC操作の遠隔制御ができるガイガーカウンターを部品から自作した。PCでスタート/ストップや データの保存、読み出し、約10秒おきに連続測定と表示ができ、また、温度も同時に測定するようにした。グラフィック表示は、ガイガーカウント値(CPM)と 温度を 同時に折れ線グラフで表示する。
   PCとの接続は USBのCDCクラスを使用したので、カウント入力はデジタルとし、前段にD−FF(フリップフロップ)を設け、ループでの数え落しが無いようにした。(ただし、送られてくるパルスの幅が約0.5mSなので、1mS以下の短い間隔のダブルパルスは、1つとしてしか測定できない。)



  1. 温度計付きガイガーカウンターのハードウエア:


  全体の構成は、据え置き型の実験などに適するように、数mの距離を離してケーブルでつなぐセパレート型とし、被測定物と 操作・データ処理PCとの間隔をあける構成にした。また、温度測定回路も基板に含めることにした。

  ・ 高圧電源は、昇圧トランスに磁路が閉じた”写ルンです”(使い捨てカメラ)の基板から取り出したストロボフラッシャー用のトランスを用いた。(cf.磁路がオープンのインダクタを用いると、出力が数秒間隔のモーターボーティングが起こって大幅な数え落としになった。) これを使うと、6V電源で400V、倍圧整流で800V管に適していたので、ここでは電源5Vで、マイコンのCCP1出力(PWM信号: パルス幅1μS、周期100μS、5V)の尖頭値を 500ΩVRで多少切って、LND712のプラトー電圧500V(* LND712: 透過性の良い雲母窓、α + β + γ線のすべてを検出、ネオン+ハロゲン、適正電圧500V、動作電圧450〜650V、開始電圧325V)に収まるように調整した。
  ガイガー管に必要な電流は微々たるものなのでトランスはこんなもので充分であるが、途中の配線で漏電しないように、高圧ケーブルには 耐圧20kVのシリコン被覆線を用いた。

  ・ ガイガー管 LND712からの出力は、入力アンプ(2SC1815)の時定数の設定もあって、シュミットトリガ・インバータ(4093)OUTで約0.05mSのパルス幅となる。この信号を、D-FFの74HC74のCPに入れ、パルスを”状態”に変換して、マイコンのデジタル入力として扱えるようにした。マイコンでの処理後は、クリヤパルスを送ってD-FFを元の状態(Q1 = L)に戻す。したがって、パルスが入っている時は、0.1mS(入力パルスが収まる待ち時間) + 1mS(測定時間) の1.1mSが、1パルスを処理するのに必要となる。パルスが入っていない時は1mSのみ。

  * LND712単独のカウント数は、約60000cpm(1kcps)までは ほぼ直線的に増加し、600000cpm(10kcps)で飽和する。

  ・ 作成した本機による 閃ウラン鉱によるテストでは、ビニールシート越しで数千cpm、直で10000cpmを越えた。 大きめのマントルで 1000cpmくらい。 やはり、D−FFデジタルで受けると、INT入力よりも数え落とし無くカウントする。


 





  2. マイコン・プログラム:


  USB−CDCクラスを使用するため、ガイガー管からの入力信号はデジタルで受ける。(INT入力(INT割込み)は使えない。)

  ・ メインループはUSB状態のチェックのみで、process IO が主な処理を行うルーチンになる。
  process IO では、PCからの”0”を受けて、接続”OK”を返し、接続状態を確認する。
  次に、PCからの、計測指示信号”1”を受けて、カウント数と アナログ入力(温度)の データ処理を行う。PCプログラムのタイマーで指示信号の間隔を決める。(マイコン内10秒、PC10秒+α) 処理した信号は、バッファにセットし、USB−CDCでPCに送られる。

  (* PCからの指示信号”0”、”1”は、キーボード入力で行っても、 TeraTerm等のソフトでマイコンからのデータを確認できる。)

  ・ CPM換算は、N = N * 6 として、B.G.の約22cpm、マントル(直)の約1000cpmになるように設定した。
  温度のアナログ値はオペアンプで約3倍になっているので、そのまま桁数を合わせてデータとした。(0〜Vref+ = 0〜3.072V を 210 = 1024分割、 3072/1024=3)

  ・ PIC18F2550(USBマイコン)のプロジェクト構成と プロジェクトフォルダは、PIC18F14K50とほぼ同様。
  (→ 2.(1) HardwareProfile の Low-PinCount USBDevelopementKit は不要。 LinkerScript は2550用を使用。)

  ・ 注) マイクロチップ社は仕様を頻繁に変えるため、最近のHI-TECH Cコンパイラ MPLAB IDE Ver8.66(HI-TECH Ver9.81)以降では PIC16、12などは文法が一部変更され、OPTIONなどは使えない。以前の書式のプログラムを使う場合は、ヘッダの部分に追加が必要
   ・・・・ 先頭の #include <pic.h> を消して、先頭に #define _LEGACY_HEADERS、 #include <htc.h> を追加する。


   ●  マイコン・プログラム: (PIC18F2550)、      PWM信号発生プログラム: (PIC16F628A)

     * PIC18F14K50 で作っても問題なく動きます



  3. PCプログラム:


  PCプログラムは VB2010(ビジュアル・ベーシック2010)で作成した。 2つの PicturBoxに、CPMと 温度を 横軸を時間としてグラフィックを作成し、CPMは 片対数表示として CPMの急激な変化を1つのグラフで表現できるようにした。(* グラフィックウィンドウを複数に分けたり、測定値の増加に伴い目盛りのレンジが自動的に変動するようなプログラムを考えても良いと思われる。)

  ・ COMポート用Windows API 関数と DCB構造体モジュール等は、32.の DDS周波数特性測定装置(2.)と同様に入れた。
  ・ 計測ボタン2により タイマーを起動し、Timer1_Tick 関数の繰り返し時間間隔を 10秒+αに設定した。(マイコンの測定時間 10秒 より少し長く取る)
  ・ グラフの罫線は、Handles PictureBox1.Paint などとして、各 Private Sub に入れた。
  ・ グラフィックは、太さ=2 ピクセルのペンで、それぞれの PictureBox に 折れ線グラフで描画する。Y座標成分の対数への変換は、関数 Private Function Conv で行った。 罫線へのグラフの位置合わせ調整は、各W、Hの分割値と切片で、測定しながら行った。
  また、LOG 0 = -∞ オーバーフロー・エラー対策として、数値が0のとき 数値に3を入れることで解決した。
  ・ グラフの保存と読出しは、SaveFileDialog1、OpenFileDialog1 を用いて、CSVファイルとして、CPM、温度の交互の連続文字データの列として扱った。(エクセルで開くと、縦に、CPMと 温度 との数値が交互に並ぶ。)


  


   ● PCプログラム: (Module1.vb 含む)



  (使用例): トライアック-整流電源による電解実験。 電源ノイズ、放電ノイズによる誤カウントに注意。GM管をケースごとアルミ箔で覆って 測定系のアース(ガイガーカウンター基板のアース)につなげれば収まる。
 




   §  身近にある放射線源:


  α線は透過性が非常にに弱い(紙一枚や空気の数cmで止まる)ですが、α線を放射する物質が体内に入ると非常に危険です。 そして、ガラス管に入っているものなどの多くの放射線計では計る前に止まってしまい測定にかからず、セシウムと区別ができません。(雲母窓のガイガー管以外では無理。シンチレーターも防水のため被覆されている。昔の 点灯管もガラスに入っている限り放射線(酸化トリウム(Th)由来のα線)は測定できなかった。)
  筆者が住む江戸川区の空中線量は、(上記の LND712で測って、)B.G.が 以前は15cpm位だったのが約22cpmに上がっています。(by. ストロベリーリナックスのガイガーカウンター)
  (東京の高慢を砕くため、高いビルが倒れる幻。 関西のほうも、”もんじゅ”など危ない。)

  世の終わりの時は、(もうすでにその時代に入っていますが、)福音が全世界に宣べ伝えられると同時に、世界中に自然災害(人工的なものも含めて)が頻繁に起こるようになります。不可抗力的な自然災害を見て、人々に 救い主を求める心を起こしてくださるために、神様はこのように計画されました。


    「民は民に、国は国に敵対して立ち上がるであろう。またあちこちに、ききんが起り、また地震があるであろう。しかし、すべてこれらは産みの苦しみの初めである。」(マタイ24:7、8) ・・・ 「産み」 = 終末の大リバイバル

    「また多くのにせ預言者が起って、多くの人を惑わすであろう。 また不法がはびこるので、多くの人の愛が冷えるであろう。 しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。 そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。」(マタイ24:11−14)




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